【6月19日 AFP】米インターネット小売大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)は今週、「画期的な技術」を搭載した高機能携帯端末「Fire Phone(ファイアフォン)」を発表した。この端末で、スマートフォン(多機能携帯電話)市場をけん引する米アップル(Apple)と韓国サムスン電子(Samsung Electronics)に挑戦する。

 4.7型ディスプレー、HD(高精細)カメラを搭載した同端末は、アマゾンが提供する書籍や映画、音楽などのデジタルコンテンツのプラットホームとして機能するほか、ユーザーは同社のクラウドストレージを利用することができる。

 Fire Phoneはアマゾンが「2つの画期的な技術」と呼ぶ機能を搭載している。

「Dynamic Perspective(ダイナミック・パースペクティブ)」は画面に表示されたイメージを立体的に見せる技術。アマゾンは「端末の持ち方や見る角度、動きに反応する」センサーシステムを使い、「他のスマートフォンでは不可能な体験を可能にする」と説明している。

 もう一つは「Firefly(ファイア・フライ)」。これは、紙に書かれた電子メールアドレスや電話番号、バーコード、さらには多数の商品の現物など、現実にある物をスキャナーで認識する技術。そこから音楽のプレイリストを作成したり商品を購入したりといったことを「数秒ですませることができる」という。

 同端末にはまた、クアッドコアのプロセッサー、特殊ガラス「ゴリラガラス(Gorilla Glass)」、13メガピクセルのカメラなどが搭載されている。

 同端末についての一部観測筋の予想は外れ、アマゾンはスマートフォン市場の価格設定に挑戦することはなかった。米国市場では、米通信大手AT&Tを通じ、契約条件付きで200ドル(約2万円)で7月25日に発売する。端末購入者にはアマゾンの優遇プログラム「Amazonプライム」が1年分提供されるという。(c)AFP/Rob Lever