【6月16日 AFP】南米コロンビアで15日、任期満了に伴う大統領選挙の決選投票が行われ、現職のフアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)大統領(62)が接戦を制して再選を果たした。

 選挙管理委員会の発表によると、中道右派のサントス大統領の得票率は50.95%で、より保守色の濃いオスカル・イバン・スルアガ(Oscar Ivan Zuluaga)元財務相(55)の45%を上回った。

 サントス大統領は1期目の任期中、半世紀にわたる左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(Revolutionary Armed Forces of ColombiaFARC)」との「内戦終結」を公約に掲げ、和平交渉を率いてきた。一方のスルアガ氏は長く和平交渉に反対の立場を取ってきた人物で、今回の選挙でも「刑事免責なし」を掲げ、もっと厳しい条件での対応を主張していた。

 対FARC和平交渉の是非を国民に問う形となった今回の大統領選だが、「紛争の終結か、終わりなき紛争か」の選択を迫ったサントス大統領が、より多くの国民の支持を集めた。アンデス大学(University of the Andes)の政治アナリスト、フェリペ・ボテロ(Felipe Botero)氏は、「国民は和平交渉の継続を望んでサントス氏に投票した。必ずしも1期目の政策全般を支持したわけではない」と述べている。

 コロンビアでは過去50年に及ぶ紛争で22万人以上が死亡し、500万人が住む家を追われている。(c)AFP/Alina DIESTE