【6月10日 AFP】4月に女子生徒200人以上が学校から拉致される事件が起きたナイジェリア北東部ボルノ(Borno)州チボク(Chibok)地区に近い遊牧民フラニ(Fulani)の集落で、生徒たちを拉致したイスラム過激派「ボコ・ハラム(Boko Haram)」とみられる武装集団に前週、若い母親少なくとも20人が誘拐された。

 事件が起きたのは7日で、情報筋が10日、AFPに明らかにした。誘拐された女性の人数については情報が交錯しており、ある地元の長老は最大40人と語っている。女性たちはチボク地区から約8キロに位置するガーキン・フラニ(Garkin Fulani)村から連れ去られた。

 自警団の1人は「銃を持った男たちがその日の昼ごろに女性20人と、見張りとして村に残っていた若い男性3人を誘拐した。誘拐犯たちがやって来たとき、村の他の男たちは全員(牛を)放牧するために群れを連れて出かけていた」と述べた。女性たちの行方は分からず、誘拐グループからの接触もこれまでのところない。

 地元の牧畜業者による協会の関係者によれば、こうした誘拐事件は珍しくなく、誘拐犯が「1軒1軒家をまわって女性を外に出し、若い女性を選んで車に乗せて連れ去る。そして身代金代わりに牛30~40頭を要求してくる」という。住民たちは通常要求に応じ、報復を恐れて当局に届け出ることはないという。(c)AFP