【6月9日 AFP】ヒツジのゲノム(全遺伝情報)を解読したとの研究結果が、6日の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された。肉や毛皮の品質向上のためにヒツジの健康を増進する方策が見つかるかもしれない。

 オーストラリア、英国、中国、フランス、デンマーク、ニュージーランドなど8か国の26機関が参加した国際研究チームによると、8年に及ぶヒツジのゲノム解析は、選抜育種によるヒツジの品種向上のためのDNA検査の開発の助けになることや、ヒツジに影響を及ぼしている疾病を軽減するための追加研究のきっかけになることが期待されている。

「羊毛の重要性を考え、われわれは羊毛の生産に関係する可能性が高い遺伝子に焦点を合わせて研究した」と、プロジェクトリーダーでオーストラリア連邦科学産業研究機構(Commonwealth Scientific and Industrial Research OrganisationCSIRO)のブライアン・ダルリンプル(Brian Dalrymple)氏は述べた。

「われわれは羊毛に含まれる脂質の代謝の新経路を特定した。これは羊毛の発達とラノリン(羊毛脂)の効率的生産の両方に役割を果たす可能性がある」とダルリンプル氏は成果を説明した。(c)AFP