【6月5日 AFP】海は大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収することで、毎年、最大2220億ドル(約23兆円)相当の気候変動による被害を防いでいるとする試算結果などをまとめた報告書が、世界環境デー(World Environment Day)の5日に発表された。

 報告書を発表した非政府組織(NGO)の世界海洋委員会(Global Ocean Commission)は、国際水域に経済的な価格を設定することで、その恩恵の管理が改善されることに期待している。

「われわれは毎年15億トン以上のCO2が国際水域の生態系に吸収・貯蔵されていると推計している」と報告書は述べている。

「大気中のCO2増加による経済的コストについての現状の推計に基づけば、国際水域の生態系に貯蔵されているCO2の価値は年間740億~2220億ドル(約7兆6000億~23兆円)に上ることが分かった」

 また、国際水域における年間漁獲量は1000万トンに上っており、水揚げされた漁業資源の価値は160億ドル(約1兆6000億円)に相当するという。(c)AFP