【6月1日 AFP】インターネットの検索結果から現状にそぐわない過去の個人情報の削除を求める「忘れられる権利」に関して、米検索大手グーグル(Google)に寄せられた削除要請は、受付初日の5月30日に1万2000件あったことが分かった。同社のドイツのスポークスマンが5月31日、明らかにした。

 グーグルは欧州の利用者を対象に、削除要請を受け付けるページを開設していた。初日の受付件数は、独誌シュピーゲル(Der Spiegel)などのメディアの推計を裏付けた。

 欧州連合(EU)司法裁判所は、古かったり不正確だったりするなど特定の条件下で、個人が自身に関する情報へのリンクの削除を求める権利を認めた。グーグルは削除要請を個別に精査し、司法裁判所の判断で提示された要件を満たすかどうか見極める。

 リンク削除までどれだけ時間がかかるかについて、グーグルは具体的な言及を避け、削除要請が明確かどうかなどの要因に左右されると説明するにとどまった。

 忘れられる権利について司法裁判所が判断を出したのは、ネット上で個人情報を保護したり自身についての世評を管理したりする個人の能力について、欧州で不安感が高まっていることが背景にある。(c)AFP