【5月30日 AFP】ナイジェリアのグッドラック・ジョナサン(Goodluck Jonathan)大統領は29日、同国に文民政権が誕生してから15周年を迎えた記念式典で、イスラム過激派「ボコ・ハラム(Boko Haram)」による少女集団拉致事件を念頭に「対テロ全面戦争」を行う決意を示した。一方で同日には、ボコ・ハラムが国境付近の3つの村を襲撃し、計35人が死亡したと報じられた。

 先月14日に北東部ボルノ(Borno)州チボク(Chibok)地区の学校から拉致された200人以上の女子生徒らを救出するためにはどんな努力も惜しまないと語った同大統領は、「わが国の民主主義、国民の結束、政治の安定を守るためには、テロに対する全面戦争を行う覚悟がある」と述べた。

 しかし同大統領が暴力の終結を誓ったその日、カメルーンとの国境付近の3つの村をボコ・ハラムが襲撃、住民に発砲し家屋に放火して合わせて35人が死亡したと、軍当局筋と住民らが明らかにした。

 ある軍当局者が匿名を条件に、ボルノ州の州都マイドゥグリ(Maiduguri)でAFPに語ったところによると、襲撃があったのは28日朝で、ボコ・ハラムは「家々に火炎瓶を投げ入れて放火し、逃げ出した住民らを銃撃した」という。

 アフリカで最も人口が多く、経済規模も最大のナイジェリアは、16年近くに及んだ軍政を経て1999年5月29日に再び民主化された。しかし過去5年間は北部と中部でイスラム過激派による反体制の動きが活発化し、数千人が命を落としている。(c)AFP/Ola Awoniyi