【5月22日 AFP】中国国営の新華社(Xinhua)通信は21日、中国国内の氷河が過去30年で15%減少したと報じた。減少は気候変動に起因するものとしている。

 新華社は、中国最大の科学研究機関「中国科学院(Chinese Academy of SciencesmCAS)」の発表を引用し、中国西部の氷河が全体の15%にあたる約8000平方キロメートル減少したと報じた。ヒマラヤ(Himalaya)山脈の一部を含む中国西部の氷河は1990年代以降、融解が加速しているという。

 CASの研究者、康世昌(Kang Shichang)氏は新華社に対し、世界最高峰エベレスト(Mount Everest)の氷の「割れ目が大きくなり、その数が増えている」と述べ、「急速に氷河が融解している」兆候だと語った。また康氏は、氷河融解の長期的な結果として、チベット高原(Tibetan Plateau)を源流とするアジアの主要河川に流れ込む水量が大幅に減る可能性があると指摘した。

 国連(UN)の気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate ChangeIPCC)が3月に発表した報告書によると、気候変動は、世界各地の水の安全保障を脅かしている。IPCCは、2100年までに世界の平均気温が1.8度上昇した場合、ヒマラヤの氷河は半分ほどに後退すると予測している。(c)AFP