【5月21日 AFP】2型糖尿病患者の食事療法についてはこれまで、1日分を最大で6回に分けて少量ずつ取ることが推奨されてきたが、このほど発表された研究結果によると、朝食と昼食の2回をたっぷりと食べる方がより効果的である可能性があるという。研究論文は欧州糖尿病学会(EASD)の学会誌「ダイアビトロジア(Diabetologia)」に掲載された。

 チェコ・臨床実験医学研究所(IKEM)の研究者、ハナ・カフロバ(Hana Kahleova)氏は20日、AFPの取材に「今回の研究では、1日当たりのカロリー摂取量はほぼ同じで、食事を1日5~6回に分けて少量ずつ取る方法と、朝食と昼食の2回だけを取る方法について、それぞれの有効性を比較した」と語った。

 今回の研究は、インスリンの分泌不全とインスリン抵抗性に起因する2型糖尿病および肥満症の患者で、年齢が30~70歳の男女54人の被験者を対象に行われた。

 カフロバ氏によると、研究開始後3か月弱で、1日に2回たっぷりの食事を取ったグループは、従来の方式に従ったグループに比べて、体重の減少量が平均1.4キロ多かったという。

「空腹時の糖、インスリン、グルカゴンの各値の減少率も、朝と昼に食事をした患者グループの方が高く、さらにはインスリンの感受性も向上した」

 だが既にインスリン治療を行っている場合、その投与量を大幅に調整する必要があるため、「この食事療法を医師の診断なしで開始してはならない」とカフロバ氏は注意を呼びかけた。

 また今回の研究結果を検証するためには、さらに広範囲の研究を行う必要があると同氏は付け加えている。

 さらにカフロバ氏は「今回の研究結果だけに基づいて、一般的なアドバイスを導き出すことは不可能だ」とAFPの取材に述べている。(c)AFP