【5月23日 AFP】錦織圭(Kei Nishikori)を倒すには、大声を出しても、対戦相手ににらみをきかせても、はたまた審判を怒鳴っても駄目だ。この謙虚な24歳の内面には、熱狂的なファンと同じくらい燃えたぎる情熱がある。

 日本人選手で初めて男子テニスの世界ランクトップ10の壁を突破し、記録を更新し続ける錦織にとって、たどり着くことができないのは空だけかもしれない。――脆弱(ぜいじゃく)な体が悲鳴を上げなければ。

 マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2014)決勝で迎えたラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)との通算7度目の対戦で、世界ランク9位に到達した錦織は苦しみながらも初勝利をつかみかけたが、またもや故障に苦しめられた。

 錦織は6-2、4-3とリードした場面で腰に痛みを感じ、そのまま第2セットを4-6で落とすと、0-3とされた最終セットで棄権を申し出た。

 しかし、米フロリダ(Florida)州に拠点を構える錦織は、今季すでに全米室内選手権(US National Indoor Championships 2014)とバルセロナ・オープン(Barcelona Open Banc Sabadell 2014)で優勝しており、強豪選手を脅かす強さを証明している。