【5月20日 AFP】映画『ターミネーター(Terminator)』のようなサイボーグ兵士たちの部隊が、行く手にあるものを破壊し尽くしながら戦場を駆け巡り、上空からは援軍のロボットの一団が集中砲火を浴びせる――そんな暗然とした光景がそう遠くないうちに、SFの世界を飛び出して現実のものになってしまうかもしれない。

 反対派は、ロボット兵器を禁止しなければ、空想上にすぎなかったそうしたロボットが、実際に兵器庫で出動を待つことになりかねないと警鐘を鳴らしている。

 スイス・ジュネーブ(Geneva)の国連(UN)欧州本部で13日から4日間の日程で開かれた特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)の非公式会合では初めて、反対派が「殺人ロボット」と呼ぶ「自律型致死兵器システム(Lethal Autonomous Weapons SystemsLAWS)」に焦点を絞った協議が行われた。この会合を足掛かりに、11月にさらに議論を深める計画になっている。

 自動兵器はすでに世界中で導入されている。最も有名なのが、遠隔操作での攻撃が可能な無人機だ。その使用については、特に米国がイスラム過激派を攻撃した際に多数の民間人が犠牲になったことをめぐり大論争に発展している。

 アクション映画『ターミネーター』におそらく最も近いのは、韓国で使われているサムスン(Samsung)製の監視ロボットだ。不審な動きを感知して侵入者に尋問し、操作担当者が許可すれば直ちに銃撃できる。

 自動化に至る次の段階は、人間による操作を介さない攻撃機能の搭載で、これが反対派が最も憂慮する点だ。専門家らは、軍事研究によって、そのような自動兵器も20年以内に製造可能だと予測している。(c)AFP/Jonathan FOWLER