【5月16日 AFP】セルビアで、集中豪雨による洪水が発生し、3人が死亡、3000人以上が避難した。また隣国のボスニア・ヘルツェゴビナでも豪雨による洪水が発生し、一部地域に非常事態宣言が出された。当局が15日明らかにした。

 首都のベオグラード(Belgrade)市長が記者団に明かしたところによると、同市の南西の郊外で、救助隊による避難勧告に応じなかった男性が夜間に水死した他、同国西部のライコバツ(Lajkovac)でも男性と女性が1人ずつ水死したという。政府は軍を派遣し、逃げ遅れた住民の救助作業に協力させている。

 アレクサンダル・ブチッチ(Aleksandar Vucic)首相は被災地の視察中に、「これはセルビア史上最悪の自然災害だ」と語った。

 これまでに同国の西部と南西部から避難した住民は3300人を超え、また200人以上が安全な場所に避難するため、軍のヘリコプターや救助隊を待っているという。ベオグラード市内と18の町村の学校は、今週いっぱい閉鎖される予定。さらに、主に西部で停電が発生し、約10万世帯の30万人ほどに影響が出ている。

 多くの町で土砂崩れが確認され、数百台の車が冠水した道路で立ち往生している。西部では、雪と強い風で孤立している村も少なくない。セルビア政府は欧州連合(EU)とロシアに支援を要請した。

 隣国のボスニア・ヘルツェゴビナも過去120年間で最大の降雨量を記録し、大規模な洪水に見舞われた。当局は一部の地域に非常事態宣言を出して、軍に救助作業への協力を指示した。ボスニア・ヘルツェゴビナも国際的な支援を要請している。(c)AFP