【5月15日 AFP】フィリピン政府は15日、同国が領有を主張する南シナ海(South China Sea)の暗礁で中国が埋め立て工事を行っていることを裏付ける写真を公開した。

 問題の暗礁は、フィリピンのほか中国とベトナムも領有を主張している南沙諸島(英語名:スプラトリー諸島、Spratly Islands)のジョンソン南礁(Johnson South Reef、フィリピン名・マビニ礁、Mabini Reef、中国名・赤瓜礁)で、フィリピン政府は前日、中国が同暗礁の実効支配を確立する目的で滑走路を建設しているとの批判を発表していた。

 フィリピン外務省が15日に公表した一連の写真からは、ジョンソン南礁で大規模な埋め立てが段階的に進んでいることが見受けられる。

 最も直近の今年3月11日付の写真には、ターコイズブルーの浅瀬に囲まれた白砂の埋め立て地が写っている。

 フィリピン外務省は、こうした中国の動きについて「地域の不安定化を招き『南シナ海における関係国の行動宣言( Declaration on the Conduct of Parties in the South China SeaDOC)』(南シナ海行動宣言)や国際法に違反する」と批判し、ジョンソン南礁はフィリピン領土だと主張した。

 一方、中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官は14日、フィリピン側の主張は未確認だとしたうえで問題の暗礁は中国領だと言明している。(c)AFP