【5月10日 AFP】スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)に所属するブラジル代表ダニエウ・アウベス(Daniel Alves)が、世界中で人種差別反対運動を引き起こすきっかけとなった事件を起こし、試合中にバナナを投げ込んだことで職を失った男性を復職させてほしいと呼びかけた。

 男性は先月27日、FCバルセロナが3-2で勝利したビジャレアル(Villarreal CF)戦で、CKを蹴りに向かったアウベスに向けてバナナを投げつけたとして告発されている。

 アウベスはそのバナナを拾い上げて一口かじり、何事もなかったかのようにプレーに戻ると、これが称賛を浴び、スペイン1部リーグでの人種差別行為に対して世界中の注目を集めた。

 8日に行われた地元ラジオ局「Rac1」のインタビューで、アウベスは「この若者が職を失ったことが唯一の気がかりだし、そんなことは望まない。誰も傷つけたくないんだ。彼はただふざけただけ、それで問題が大きくなってしまった」と話した。

「お願いだから、彼を復職させてほしい」

 スペインの警察は犯人とされる男性を逮捕しており、人種差別の扇動罪で有罪になれば、懲役は最大3年となる。

 ビジャレアルは、男性にチームの施設とスタジアムの出入りを禁じ、クラブの会員資格を取り消した。

 地元紙によれば、男性はビジャレアルのユースチームでサポートスタッフの一員として働いていたため、処分の一環として解雇を言い渡されたという。(c)AFP