【5月9日 AFP】韓国南西部・珍島(Jindo)沖で旅客船セウォル(Sewol)号が沈没し300人以上が死亡・行方不明となった事故で、犠牲になった高校生らの遺族が9日、大統領府(青瓦台、Blue House)に集まり、亡くなった子どもたちの遺影を胸に抱きしめながら、朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領との面会を要求した。

 遺族数十人と集まった多数の支援者らは、暴動鎮圧用の装備を身に着けた警察官を含む数百人の警官隊に阻まれたが、その後、大統領府から数百メートル離れた路上で座り込みを行った。

 朴大統領との面会は実現しなかったものの、数人の遺族代表者は大統領府内への立ち入りを許可され、同大統領の顧問らと話す機会を与えられた。

 子どもたちの遺影にしがみつくような格好でほぼ終日座り込みを行った遺族らのそばには、放水砲を備えた数台の装甲車が待機していた。

 遺族らが抗議行動を開始したのは前日8日の夜だった。韓国放送公社(KBS)の報道局長が、セウォル号沈没による犠牲者数は交通事故での年間死者数に比べればずっと少ないという旨の発言を行ったことに抗議するため、同テレビ局前に集まった。

 遺族らは夜明け前になって、大統領との面会を求めて青瓦台までの行進を決行。その後KBSの吉桓永(キル・ファンヨン、Gil Hwan-Young)社長が遺族らに直接会って個人的に謝罪するとともに、問題の発言を行った報道局長の辞任を発表したことを受けてようやく、遺族らは平和的に解散すると決めた。(c)AFP