【5月9日 AFP】レバノン保健省は8日、中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory SyndromeMERS)の同国初の感染者を確認したと発表した。ただ、感染者は回復兆候を示したため、退院を許されたという。

 保健省は国民に対し「パニックに陥る理由はない」として、「呼吸器疾患を予防する通常の警戒措置を取るべき」と呼び掛けている。また、「レバノンでの感染拡大が起きていないことを確認する」ための調査を実施しているとした上で、医師や医療機関に対し「最大限の警戒をし、感染が疑われる症例が出た場合はすぐに保健省に報告する」よう要請した。

 一方、MERSの拡大が最も深刻なサウジアラビアでは、当局が新たに4人の死亡を発表。同国で初めて感染例が確認された2012年9月以降のMERSによる死者は121人となった。

 レバノン人の多くは湾岸諸国で働いており、特にサウジアラビアに出稼ぎに出る人は多い。(c)AFP