【5月8日 AFP】ナイジェリア北東部で、イスラム過激派「ボコ・ハラム(Boko Haram)」が町を襲撃し、数百人を殺害した。複数の情報筋が7日、伝えた。

 襲撃を受けたのは、カメルーンとの国境沿いの町ガンボル・ヌガラ(Gamboru Ngala)。武装集団が5日の日中にトラックとバイクで乗り付け、数十棟の建物を破壊した上で、逃げようとした住民を銃撃した。

 地元議員のアフメド・ザナ(Ahmed Zanna)氏は、地元住民らからの情報として、300人が殺害されたと話している。ザナ氏によると、同町に以前配置されていた兵士らは、4月14日にボコ・ハラムが拉致した200人以上の女子生徒を救出するため、北方のチャド湖(Lake Chad)方面に再配備されていたため、襲撃があった時の町は無防備な状態だったという。

 目撃者の1人はAFPに対し、武装集団が去った後に町へと戻った住民は、町内各所に遺体が散乱する様子を目の当たりにしたと話している。同町は過去にも繰り返しボコ・ハラムの襲撃を受けてきたが、「今までのボコ・ハラムの襲撃の中でも今回の被害は最悪だ」という。

 AFPの取材に匿名で応じた医療関係筋は、死者は200人以上に上るとの見解を示し、兵士を含む2000人のナイジェリア人がカメルーンへと逃れたと語った。

 先月拉致された少女らについては、ボコ・ハラムの指導者アブバカル・シェカウ(Abubakar Shekau)容疑者が「奴隷」として売り飛ばすと脅迫する動画が公開された。さらに今月4日には2件目の拉致事件があり、12~15歳の少女11人が、ボコ・ハラムの拠点であるボルノ(Borno)州のグウォザ(Gwoza)から連れ去られている。(c)AFP/Aminu ABUBAKAR