【5月6日 AFP】ウクライナからの分離独立を掲げる親ロシア派武装勢力が掌握している同国東部の町や都市の奪還を目指し、ウクライナ軍が展開している軍事作戦による死者は、新たな内戦の危機が叫ばれ、周辺地域の主要空港は閉鎖される中、6日までに少なくとも34人に上っている。

 事態が手遅れとなる前に外交的解決を図ろうと、欧州諸国が必死に試みる中、フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は、ウクライナに「混沌と内戦の危機」が迫っていると警戒した。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が「平和維持」活動の名目で、旧ソ連の一部だった隣国ウクライナへの侵攻を軍に命じる可能性も懸念されている。

 しかし、北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍のフィリップ・ブリードラブ(Philip Breedlove)最高司令官は、欧米側が考えるようにロシア軍の特殊部隊はすでに極秘に展開済みで、軍隊を派遣する必要なく「プーチン大統領の目標を達成するかもしれない」と語った。

 ウクライナ政府とそれを支援する欧米諸国は、ロシア政府の当面の主要な目標は、ウクライナ東部の親ロシア派が独立を求め11日に「住民投票」と称して予定している投票が確実に実施されること、さらに2週間後にウクライナ全土で行われる大統領選挙を妨害することだとみている。(c)AFP/Bertrand de Saisset, with Max Delany in Donetsk, Ukraine