【5月2日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記に次ぐ事実上の同国ナンバー2にあたる軍政治局トップが交替した。北朝鮮指導部内の大きな変化を示す動きと捉えられる。

 2日の国営朝鮮中央通信(KCNA)は、前日平壌(Pyongyang)で開かれたメーデーの祝賀行事の報道の中で、朝鮮人民軍総政治局長として、これまで同職にあった崔竜海(チェ・リョンヘ、Choe Ryong-Hae)氏ではなく、黄炳瑞(ファン・ビョンソ、Hwang Pyong-So)労働党組織指導部第1副部長の名を伝えた。

 KCNAによると、黄氏は織物工場の労働者たちのために開かれた宴会で、朝鮮人民軍の司令官らも出席する中、演説をした。黄氏については先月28日に、崔氏他4人と同じ朝鮮人民軍次帥への昇格が報じられたばかり。

 昨年12月に金第1書記の叔父にあたる張成沢(チャン・ソンテク、Jang Song-Thaek)氏が処刑されたことを受け、政権内では崔氏が事実上のナンバー2に昇格したとみられていた。金第1書記の側近とみられていた崔氏は、4月初めに国防委員会副委員長に昇格した。崔氏はこの数か月間、公式の場に姿を見せないことがあり、追放されたのではないかと憶測もされたが、4月の動きなどから健康上の問題があったものと考えられていた。

 しかし、今週初めのKCNAの報道では、金正恩第1書記の視察に黄氏が同行したことが報じられ、崔氏については言及がなかったことから、指導部の入れ替えが憶測されていた。(c)AFP