【4月30日 AFP】男子テニスのアンディ・マレー(Andy Murray)は、世界ランキングで8位まで順位を落としているにもかかわらず、昨年大会を制した四大大会(グランドスラム)のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2014)でトップシードに入る可能性が高まった。29日、主催者が明かした。

 大会を主催するオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(All England Lawn Tennis and Croquet Club、AELTC)のフィリップ・ブルック(Philip Brook)理事長は、大会会場である同クラブで記者会見を開き、「われわれのウィンブルドンでは、サーフェスでの成績に基づいたシードの仕組みを採用します」と発表した。

「そのためわれわれは、各選手のランキングポイントに、昨年のグラスコートの大会で稼いだポイントを推定して加算し、さらにそこに、その前年の最も成績が良かった大会の75パーセントを加えます」

「そうした前提を考えると、昨年のエイゴン選手権(AEGON Championships 2013)優勝者であり、ウィンブルドン覇者であり、また2012年ファイナリストのマレーのシード順位には重大な影響が出るでしょう」

「また、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)やノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)にも大きな影響が出るでしょう。一定の調節がなされるはずです」

 大会主催者はまた、1回戦敗退の選手でも報酬が約15パーセント引き上げられ、2万7000ポンド(約460万円)を受け取れるようになったことについても説明を加えた。

 今年のウィンブルドンでは、賞金総額も10.8パーセント増額されて2500万ポンド(約43億円)となり、男女シングルスの優勝者にはそれぞれ1760万ポンド(約3億円)と、昨年の160万ポンドよりも多い額が支払われることが発表された。

 AELTC幹部のリチャード・ルイス(Richard Lewis)氏は、「参加だけしてすぐ負ける選手が出てくるのではないか、という意見には少し反論したい」と語った。

「強調しておかなければならないのは、選手はウィンブルドン出場のために全力を尽くしているということだ。ランキング、すなわち過去12か月の成績で出場するにせよ、主催者推薦にせよだ」

「ですので、2万7000ポンドを何もしないでも得られる参加料とみなすのは、正しくないと思う」

(c)AFP