【4月29日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は29日、アジア歴訪の最終訪問国フィリピンで、領有権問題を武力で解決しようとしていると中国を非難し、フィリピンに対しては軍事支援を「固く」約束した。

 オバマ大統領はマニラ(Manila)の軍施設での米国とフィリピン両国の兵士らを前にした演説で、海上の領有権をめぐり今回の訪問先であるアジアの米同盟国と中国との間で緊張が高まっていることへの懸念を再度表明した。

 フィリピンは、高い注目を集める南シナ海(South China Sea)の小島や岩礁、砂州などからなる南沙諸島などをめぐる領有権争いで、中国と対立している。

 だが脆弱な軍事力しかもたないフィリピンは、古くからの同盟国である米国に繰り返し援助を求めてきた。他国との領有権争いで主導権を握ろうと、中国が軍事と外交の両面で圧力を強めているためだ。

 米国とフィリピン両国はオバマ大統領の演説に先立つ28日、フィリピンでの米軍の存在を高める新軍事協定に調印した。(c)AFP/Stephen COLLINSON