■時代に先駆けてデジタル技術で自己表現

 カーネギーメロン大学芸術学部のゴラン・レビン(Golan Levin)准教授によれば、ウォーホルのものとみられる署名が確認できた作品の1つは一部が破損していた。また、ウォーホルの作品にスタイルが似ているものの、署名がない画像が2つあったほか、誰が作成したか分からない画像もあった。

 カーネギーメロン大学は、多大な影響力を持っていたウォーホルが時代に先駆けてデジタルアートの制作ツールを試していたことを示すものだと指摘している。

 このフロッピーディスクは、ニューヨーク(New York)を拠点に活動する芸術家のコリー・アルカンジェル(Cory Arcangel)さんが動画投稿サイトのユーチューブ(YouTube)で、フロッピーディスクを使ってデジタルアートを制作するウォーホルの映像を視聴したことがきっかけで発見に至った。

 アルカンジェルさんは2011年、ウォーホル美術館とカーネギーメロン大学にこのフロッピーについて問い合わせた。すると、美術館にはフロッピーが保管されており、同大学のコンピュータークラブは古いコンピューターのハードウエアやソフトウエアを使う技能を持っていることが分かった。

 アルカンジェル氏は、「これらの作品からは、ウォーホルが当時登場したばかりだったデジタル技術を使って自己表現することの本質を即座に、直感的に理解したとみられることが分かる。この点が素晴らしい」と語っている。(c)AFP