【4月25日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は、自ら受話器を取り上げ、前もって断ることなく電話をかけることで知られており、大衆紙からは「いきなり電話の法王」という愛称まで付けられている。

 こういった法王の個人的な電話にバチカン(ローマ法王庁)が公式なコメントを出すことはまれだが、そろそろ閉口してきた感もある。フェデリコ・ロンバルディ(Federico Lombardi)広報局長も、もうたくさんだと思っているようだ。

 ロンバルディ氏は24日、法王がかける電話はあくまでも「司祭としての個人的な」コミュニケーションの一環であり、「決して法王の公務の一部をなすものではない」と断言した。さらに、法王の電話に関する報道が「誤解と混乱のもと」になっていると指摘し、そこでの会話から「教会の教えに関する結論を推察してはいけない」と述べた。

 同氏のこの発言も、先日の法王の電話に関する報道がきっかけとなっている。あるアルゼンチン女性が、自分が離婚経験者で再婚していることを理由に教区司祭が聖体授与を拒んでいると訴えていた。この女性の夫によると、法王が直接電話をかけてきて、この問題は現在バチカンで「検討中」であり、離婚していても聖体拝領することは「何も悪くない」と語ったという。

 聖体拝領は、ミサの中で最も重要な儀式とみなされている。現在カトリックには、離婚経験者の聖体拝領を禁じる規則があるが、現実的には多くの司祭がその規則を破って聖体授与を行っているとされる。

 法王はこれまでにも、例えば新聞販売店に自分で購読中止を依頼したり、娘を殺された母親を慰めたりと、現実的なものから感情に訴えるものまでさまざまな電話をかけていると報じられている。(c)AFP