【4月25日 AFP】パレスチナ解放機構(PLO)とイスラム組織ハマス(Hamas)が暫定統一政府の樹立で合意したことを受けて、イスラエルは24日、パレスチナとの和平交渉を中断すると発表した。米国が仲介する中東和平交渉の期限が29日に迫る中、そのプロセスは行き詰まりを見せている。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はこの合意を「和平を踏みにじる」動きだとして強く非難したが、パレスチナ側の交渉責任者、サエブ・アリカット(Saeb Erakat)氏は、和平プロセスを踏みにじったのはパレスチナ人居住地への入植活動を継続するイスラエルの方だと反発している。

 パレスチナ人の唯一の代表機関として国際的に認められているPLOと、ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するハマスは23日、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長を指導者とする「国民的合意に基づく」暫定統一政府を5週間以内に樹立することで合意する和解協定に調印した。

 これを受けてイスラエルの安全保障内閣は24日、「ハマスが支援するパレスチナ政府と交渉するつもりはない」として、これに対抗する「措置」を講じると宣言したが、その具体的内容は明かしていない。イスラエルは今月初め、パレスチナ側が15の国連(UN)機関と国際条約に加盟申請した際にもすでに多数の経済制裁を発動しており、新たな措置が取られればそれにさらに上乗せされる形となる。

 この統一政府合意は、和平交渉の期限を当初の今月29日から延期するよう、米国が土壇場の説得を行っている最中に結ばれた。これに対し米国は、「失望した」と表明している。(c)AFP/Jean-Luc RENAUDIE