【4月24日 AFP】ウクライナ東部のスラビャンスク(Slavyansk)で米国人記者が親ロシアの分離派によって拘束されたとの報道を受け、米国務省は23日、「深く懸念している」との声明を発表した。

 米国務省のジェン・サキ(Jen Psaki)報道官は、「このような行為はいかなるものも非難する」とした上で、ウクライナ東部でこのところ相次いでいる人質を取る行為はジュネーブ(Geneva)での4者協議でロシア、ウクライナ、米国、欧州連合(EU)が達した合意に反するものだと指摘。「ロシアに対し、同地域で拘束されている全員を即時、安全に解放するために、その影響力を行使するよう呼び掛ける」と述べた。

 ここ数日で大幅に緊張が高まっているスラビャンスクでは、親ロシアの分離派が米オンラインメディア「バイス・ニュース(Vice News)」の米国人記者、サイモン・オストロフスキー(Simon Ostrovsky)さんと、暫定政権寄りのメディアで働くウクライナ人記者のイルマ・クラット(Irma Krat)さんの2人を拘束しているとみられている。

 しかし、地元指導者のバチェスラフ・ポノマリョフ(Vyatcheslav Ponomarev)氏は報道陣に対し、オストロフスキーさんは「現在監禁されておらず、拉致も拘束もされていない」と述べ、分離派が占拠しているビルの1つで「働いている」だけだと主張している。

 ただし、通常は数多くの情報発信をしているオストロフスキーさんのツイッター(Twitter)アカウントには、丸一日新たな投稿がない状態となっている。(c)AFP