【4月23日 AFP】中国当局が全土で検査した地下水の60%が、直接飲用することができないほど汚染されていると、国営新華社(Xinhua)通信が22日、伝えた。

 新華社によると、中国国土資源省は中国全土203都市で昨年実施した水質調査の結果を発表。60%の水質が「非常に悪い」または「比較的悪い」と判定されたという。

「比較的悪い水質」と判定された水は、事前処理を行わなければ飲料水として使用することが認められていない水で、「非常に悪い水質」とされた水は飲料水として使用することができない。2012年の調査では、直接飲用できない水は57.4%だった。

 中国ではこの数十年、経済発展によって引き起こされた環境問題が悪化しており、各地で分厚いスモッグが発生し、河川や土壌の汚染も広がった。環境汚染問題は政府批判に勢いを与え、しばしば抗議行動も発生している。

 一方、中国環境省は前週、国土の16%が汚染され、農地の5分の1近くがカドミウムなどの無機物で汚染されているとの推計を発表した。

■環境汚染に「宣戦布告」した中国当局

 中国の李克強(Li Keqiang)首相は3月、政府が環境汚染に「宣戦布告」したと表明したが、専門家らは既得権益のために実際の行動は困難だろうと忠告している。

 都市部の住民はすでに水道水を直接飲むのを止め、沸騰させた水を飲むか、ボトル水を購入している。

 中国西部蘭州(Lanzhou)では今月、水道水に有害化学物質のベンゼンが基準を超えて含まれていることが発覚し、住民がミネラルウオーターを買いに殺到するという出来事があった。(c)AFP