【4月23日 AFP】出生体重が低かった人と、母乳を与えられていた期間の短かった人は、心臓疾患と関連性のある慢性の炎症を成人後に発症する可能性が高くなるとの研究が、23日の英学術専門誌の英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)に掲載された。

 米研究チームによると、研究対象となった7000人近くの大半で、出生体重または母乳育児期間と、若年成人になった後の「C反応性タンパク(CRP)」の血中濃度の高さとに関連性があった。

 CRPは肝臓で生成されるタンパク質で、炎症が起きると濃度が上がるため、その濃度は炎症の指標となる。

「出生体重が1ポンド(約454グラム)増えるごとに、CRP濃度の5%低下が予測される」と、研究に参加したノースウェスタン大学(Northwestern University)の研究者らは声明で述べた。また、「3~12か月間の母乳育児を受けた人は、母乳育児を受けなかった人と比べて20~30%低いCRP濃度になることが考えられる」という。

 慢性炎症と心臓血管の疾患は以前から関連が知られているが、その原因は分かっていない。

「研究結果は、成人後の心臓疾患の主なリスク要因を低減させる可能性が母乳育児にあることを示唆している」と、米国立小児保健・人間発達研究所(NICHD)のアラン・ガットマチャー(Alan Guttmacher)所長は述べた。

 世界保健機関(World Health OrganisationWHO)は母乳育児について、子どもの健康と生存を確保するための「最も効果的な方法の一つ」と表現し、生後6か月までは母乳のみでの育児を推奨している。(c)AFP