【4月23日 AFP】「ロシア版フェイスブック(Facebook)」とも呼ばれる同国の交流サイト(SNS)最大手「フコンタクチェ(Vkontakte)」の創設者、パーベル・ドゥロフ(Pavel Durov)氏(29)は22日、保安当局からの圧力を受けたため、保有する同社の株式を売却してロシア国外に逃れたと発表した。

 ドゥロフ氏は米IT系ブログのテッククランチ(TechCrunch)に対し、「すでにロシアを出国した。帰国するつもりはない」と語った。

 フコンタクチェはこれに先立つ21日、ドゥロフ氏の辞任を発表していた。一方のドゥロフ氏は同日、フコンタクチェが事実上、露国営石油会社ロスネフチ(Rosneft)の会長でウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と深い親交があるイーゴリ・セーチン(Igor Sechin)会長などの政府寄りの人物らに乗っ取られたと主張していた。

 米フェイスブックの創業者、マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏と比較されることも多いドゥロフ氏は、ウクライナでの親欧州連合(EU)派のデモを組織したユーザーに関する個人情報の保安当局への提供を拒否したことを理由に、フコンタクチェから「締め出された」と主張している。

 一方、同社の広報担当者は今のところ、これについてコメントしていない。

 旧ソ連圏の1億人以上が利用するフコンタクチェは、ロシアでは利用者数がフェイスブックを大幅に上回り、国内最大のSNSとなっている。(c)AFP/Anna MALPAS, Anna SMOLCHENKO