【4月23日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)のデビッド・モイーズ(David Moyes)監督が22日、世界有数の名門を混乱に陥れた悲惨な10か月を経て、指揮官を解任された。

 マンチェスター・ユナイテッドは、このショッキングな発表を行った後、ベテランMFのライアン・ギグス(Ryan Giggs)が暫定監督に就任することを発表している。

 ユナイテッドは昨年7月、アレックス・ファーガソン(Alex Ferguson)監督の後任として50歳のモイーズ監督を招へいしたが、チームが序盤から屈辱的な敗戦を繰り返すと、彼らのシーズンはみるまに悪夢へ変わっていった。

 そして、解任のうわさが駆け巡り周辺が騒がしくなるなかでクラブは、「マンチェスター・ユナイテッドはデビッド・モイーズの退団を発表する」と短い声明を出して解任を正式に発表した。

「モイーズ監督がこの仕事で見せてきた勤勉な姿勢や誠実さ、品位に感謝の意を表したい」

 クラブは続けて40歳のギグスについて、「このクラブで最も多くの勲章に彩られた選手がトップチームの監督を引き受け、正式な指揮官が就任するまでの間、チームを率いることになる」と発表している。

 ユナイテッドの選手はこの日、メディアの大きな注目が集まるなかで、通常通りに練習施設にやって来た。クラブは新指揮官について、「この件に関しては、結論が出るまで」これ以上のコメントは差し控えるとしている。

 英国のブックメーカー(賭け屋)では、現在オランダ代表監督を務めるルイス・ファン・ハール(Louis van Gaal)監督が後任指揮官の本命とみられている。

 62歳のファン・ハール監督は、これまでアヤックス(Ajax)、FCバルセロナ(FC Barcelona)、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)などを率いてきた経歴を持ち、このところはイングランドで仕事をしたいとの希望を表明していた。

 その一方で、他に候補として名前が挙がっていたボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)のユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督は、ユナイテッドの指揮官就任の可能性を否定した。

 クロップ監督は英紙ガーディアン(Guardian)に対し、「マン・ユナイテッドは偉大なクラブで、あそこの素晴らしいファンに対してはとても大きな親近感を抱いている。しかし私はボルシア・ドルトムントとそこにいる人々にすべてをささげているし、その関係を崩すことは誰にもできない」とコメントした。