【4月28日 AFP】ピスタチオは、トルコのお菓子「バクラバ」に欠かせない材料だが、「緑の黄金」との異名を取るこのナッツを、都市全体の暖房設備のエネルギー源として利用するという画期的なアイデアが、同国で検討されている。

 当局は現在、同国初となる環境都市の建設計画で、公共および私有の建築物に設置される暖房の燃料源として、ピスタチオの殻を利用することを検討している。

 この計画を実行するにあたり、ナッツの生産でよく知られる、同国南東部のガジアンテプ(Gaziantep)県ほどふさわしい場所はないだろう。

 環境建築の専門家である市当局のセダ・ミュフトゥオール・グレック(Seda Muftuoglu Gulec)氏は、「ガジアンテプのピスタチオ生産は有名だが、それと同時に相当な量のピスタチオの殻がゴミとして捨てられている」と指摘し、「ピスタチオの殻を使って、再生可能エネルギーの一種であるバイオガスを取り出すことを計画している」と説明する。

 このプロジェクトは、県都ガジアンテプから11キロ離れた土地に、総面積3200ヘクタール、人口20万人規模の都市を建設しようというもの。

■ピスタチオの国

 もしプロジェクトが実を結べば、ゴミとみなされていたピスタチオの殻が、新たなエネルギー源となる。

 国連機関の一つ、食糧農業機関(Food and Agriculture OrganisationFAO)によると、トルコは、イランや米国、シリアと並び、ピスタチオの生産で世界有数の規模を誇る。