【4月21日 AFP】韓国の朴槿恵(パク・クネ、Park Geun-Hye)大統領は21日、476人を乗せて沈没した旅客船セウォル(Sewol)号について、事故当時の船長と一部の乗組員の行為は許されないものであり「殺人に等しい」と糾弾した。

 大統領府(青瓦台、Blue House)で行われた政府高官との会議の中で、朴大統領は「(セウォル号の)船長と一部の乗組員の行動は、まったく理解しがたく、許されないものであり、殺人に等しい」と強く非難した。

 乗客の家族らは、初動の救助活動が不適切で誤っていたとして当局の事故対応を批判している。

 朴大統領は、セウォル号が沈み始めたときに、イ・ジュンソク(Lee Joon-Seok)船長が乗客の避難を不必要に遅らせた上、「乗客を見捨てて」自分が最初に脱出したことが、徐々に明らかになっていると指摘した。

 朴大統領は「こうしたことは法的にも倫理的にもまったく想像できない」と述べ、事故関係者は同号の所有者から安全検査官、乗組員まですべて捜査対象となり、刑事責任が追及されるだろうと語った。

 イ船長と操舵手、さらに実務経験の少ない3等航海士の計3人は、職務怠慢と乗客の安全確保を怠った容疑で19日に逮捕されている。事故発生時、船の操舵(そうだ)を指揮していたのは3等航海士だった。(c)AFP