【4月20日 AFP】ウクライナの親ロシア派武装勢力の活動拠点である同国東部のドネツク(Donetsk)では、住民の過半数がロシア編入を望んでいない一方、ウクライナの暫定政権は「法的な正統性がない」と考えているという世論調査結果が、19日公表された。

 ロシア語週刊紙Weekly Mirrorは、ウクライナの国際社会学研究所(Institute for International Sociology)がロシア系住民が多い南東部全域の3200人を対象に行った調査結果を掲載した。その結果、ドネツクではロシア編入への反対が52.2%を占め、賛成は27.5%にとどまった。南東部全域ではロシア編入反対が69.7%に上った。

 ウクライナからの独立を主張する勢力が共和国樹立を一方的に宣言し、その是非を問う住民投票の実施を求めているドネツクでは、回答者の38.4%がロシア政府が求めているウクライナの連邦化を支持すると回答し、41%が分権化の促進を希望すると回答した。

 東部ではウクライナ暫定政権への不信感が依然として非常に高い。親ロシア派のビクトル・ヤヌコビッチ(Viktor Yanukovych)氏が大統領として率いていた旧政権は今年2月、反政権デモ隊と機動隊の衝突で多数の死者が出た後に崩壊した。調査では、暫定政権のオレクサンドル・トゥルチノフ(Oleksandr Turchynov)大統領代行に法的な正統性はないと回答した人が約74%を占めた。

 北大西洋条約機構(NATO)が4万人規模のロシア軍部隊が国境付近に配置されていると指摘している中、ロシア当局は、ロシア系住民の保護を目的としてウクライナに軍事介入する権利があると主張すると共に、武装勢力を支援しているとの西側諸国の主張を否定している。

 だが、調査に回答したドネツクに住んでいる人のうち、いままでも住民の権利は侵害されていなかったと回答した人は57.2%、ロシアの軍事介入に反対すると答えた人は66.3%に上った。(c)AFP