【4月19日 AFP】韓国の南部沿岸沖で16日朝に起きた旅客船の沈没事故で、韓国の捜査当局は19日、イ・ジュンソク(Lee Joon-Seok)船長(69)ら乗組員3人を逮捕した。

 この事故では乗船していた476人のうち174人は救助されたが、これまでに29人の死亡が確認され、273人が依然として行方不明になっている。船長は船が沈みつつある中、乗客を船に残して脱出したとして厳しく批判されている。

 海洋警察幹部は乗客の親族への説明の中で、捜索に参加した民間のダイバーが船の中に3人の遺体を見つけ、船のガラス窓を破って遺体を収容することを試みたが不可能だったと明らかにした。捜索に参加している500人以上のダイバーの多くが民間人だという。

 この海洋警察幹部は、捜索中に遺体が流されないよう船体の周囲に網を張る予定だが、船内の空気が残っている場所に生存者がいる望みは捨てていないと述べた。

■救助された教頭が死亡、自殺か

 乗客の家族が集まっている韓国・珍島(Jindo)の体育館の近くで18日、救助された檀園高校(Danwon High School)の教頭(52)が木から首をつって死んでいるのが見つかった。

 沈没した旅客船には同校の生徒350人以上が乗っていた。現地の報道によると、この教頭は「一人だけ生き残ったのはつらすぎる…私は責任を取る」というメモを残していたという。(c)AFP/Park Chan-Kyong