【4月17日 AFP】南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレス(Buenos Aires)で、養父母に9年間にわたり車庫に閉じ込められ虐待を受け、餓死寸前の状態になっていた少女(15)が保護されたことが16日、明らかになった。病院に搬送された少女は極度の栄養失調状態で、体重は20キロしかなかったという。

 司法筋の話によれば、少女はパンと水しか与えられず、同じガレージ内で飼われていた犬やサルに投げ与えられた餌を食べたとの理由で暴行も受けていたと話している。ガレージの外に出られたのは、9年間でたった2回だったという。

 同筋によると、養父母は「人間を奴隷化し、重傷を負わせ、違法に監禁した」疑いで逮捕された。

 少女の実の両親は、他にも7人の子どもがおり養いきれなくなったとして、養父母に少女を引き渡した。養父母は2001年に少女の合法的な保護者となり、限定的な親権を獲得。少女を正式な養子として迎えようとしていた。

 養父母は、カルト教団「サン・ラ・ムエルテ(San La Muerte、聖なる死)」の信者だったが、少女の虐待が同教団の信仰と関連していたかは今のところ分かっていない。同教団の信者は、願い事を叶えるために捧げ物をすることで知られている。

 事件が発覚したのは、少女の実の姉妹が長く連絡が取れなかった少女を発見し、警察に通報したことがきっかけだった。(c)AFP