【4月16日 AFP】ウクライナ国防省は15日、分離派勢力の鎮圧のために東部の町クラマトルスク(Kramatorsk)に派遣された同国軍の装甲車6両が、親ロシア派の武装集団に奪取されたと発表した。同国軍が東部で開始した「対テロ作戦」が裏目に出た形だ。

 国防省によると、装甲車部隊はクラマトルスクで地元住民に進路を妨害された後、「過激派によって奪取された」。車両はその後、武装集団によって東部スラビャンスク(Slavyansk)市に配置されたという。

 同市では、ロシア国旗を掲げた装甲車が市内を走る姿が確認された。現地のAFP記者によると、装甲車を取り囲む数十人の武装集団は、自分たちは志願兵や親露派に寝返ったウクライナ兵だと話した。

 また別のAFP記者によると、クラマトルスクでは14両の装甲兵員輸送車(APC)からなるウクライナ軍部隊が親露派に取り囲まれ、APCに乗ってその場を立ち去ることと引き替えに、装備していたライフル銃から発射に必要な撃発装置を取り外し、親露派側に引き渡した。その際、隊員の中には涙を流す者もいたという。(c)AFP