【4月16日 AFP】96人のサッカーファンが死亡した「ヒルズボロの悲劇(Hillsborough Disaster)」から15日で25年目を迎え、イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)は本拠地アンフィールド(Anfield)で追悼式典を開催した。

 式典には、1989年にシェフィールド(Sheffield)のヒルズボロ・スタジアム(Hillsborough stadium)で開催されたFAカップ(FA Cup)のリバプール対ノッティンガム・フォレスト(Nottingham Forest)の準決勝で犠牲となった被害者の親族に加え、リバプールの主将を務めるスティーブン・ジェラード(Steven Gerrard)ら現役選手や、ケニー・ダルグリッシュ(Kenny Dalglish)元監督などのクラブ関係者など約2万5000人が訪れた。

 現役選手や引退した選手らが見守る中、地元の宗教指導者が犠牲者の名前を読み上げ、試合が中断となった現地時間午後3時6分には1分間の黙とうがささげられた。

 リバプールを率いるブレンダン・ロジャーズ(Brendan Rodgers)監督とライバルチームのエバートン(Everton)を指揮するロベルト・マルティネス(Roberto Martinez)監督もスピーチを行った。

 ロジャーズ監督は、「ここアンフィールドでの試合で私を鼓舞してくれるたった一つの大きな源は、疑いようもなく、グラウンドに到着してヒルズボロの記念碑を目にするとき、96人の方々の名前を目にするときです。亡くなられた方々、その方々に代わって戦い、運動を行われている皆さん、生存者の代表の皆さん、あなた方はまさしくわれわれを突き動かしているのです」と述べた。

 またロジャーズ監督は前任者のダルグリッシュ氏に対しても敬意を表した。ダルグリッシュ氏は事故当時クラブの監督を務め、多くの犠牲者の葬式に参列したとされており、観衆は総立ちでこの元指揮官を称えた。

 2012年には犠牲者の家族による運動の結果、独立委員会がこの事故の調査報告をまとめ、犠牲者のうち41人はより迅速な救急処置を施していれば蘇生の可能性があったことを明らかにしている。(c)AFP