【4月16日 AFP】インド最高裁は15日、身体的な性と性認識が一致しないトランスジェンダー(性別越境者)を「第三の性」として法的に認める判決を下した。

 この裁判は、著名なトランスジェンダー活動家のラクシュミ・ナラヤン・トリパティ(Laxmi Narayan Tripathi)氏らのグループが、法の下での平等な権利とトランスジェンダーを性別として法的に認めることを求めて2012年に提訴したもの。インド国内に数百万人いるとされるトランスジェンダーや、性別適合手術を受けた男性らに対する差別の根絶に道を開く画期的な判決だといえる。

 別の判事1人と共にこの裁判を担当した最高裁のK・S・ラダクリシュナン(K.S. Radhakrishnan)判事は法廷で、「トランスジェンダーの人々はこの国の市民であり、教育をはじめその他のすべての権利を享有している」として、「トランスジェンダーを第三の性として認めるか否かは社会的、医学的な問題ではなく、人権の問題だ」と述べた。

 最高裁は、社会の片隅に追いやられ、貧困にあえぐトランスジェンダーの人たちの境遇の改善に向け、こうした人たちを、政府が実施している社会的少数派向けの福祉政策の対象に含めるべきとの判断も示した。