【4月16日 AFP】リビアの首都トリポリで(Tripoli)で15日、通勤していた駐リビアのヨルダン大使が乗った車が覆面をした武装集団に銃撃され、大使が拉致された。この事件で大使の運転手が負傷した。当局が発表した。

 ヨルダン国営ペトラ(Petra)通信によると、ヨルダンのナセル・ジュデ(Nasser Judeh)外相は「リビアの治安は非常に難しい状況にあると認識している。これまでのところ、拉致犯からは何の連絡も受けていない」と述べ、ヨルダン政府は犯行グループから何の要求も受けていないことを明らかにした。

 3年前に北大西洋条約機構(NATO)が支援する反体制派が、40年余りに及んだムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)政権を転覆して以来、無法状態が広がっている北アフリカのリビアでは、政府要人や外国の外交官を狙った事件が相次いでいる。

 トリポリに駐在する外交官らは、カダフィ政権転覆を目指して戦った民兵らが、外国で拘束されているリビア人の解放を求めて他国政府を脅迫するため拉致事件を頻繁に引き起こしていると指摘している。

 この2日前の13日には、リビアのアブドラ・シンニ(Abdullah Thinni)首相が、自身と家族らが「反逆的な」武装攻撃の被害を受けたことを理由に辞任すると表明。シンニ首相は、国内の政情や治安の混乱に歯止めをかけられなかったとして議会が約1か月前に前首相を解任した後、1週間足らず前に新首相に任命され組閣に取り掛かったばかりだった。(c)AFP/Imed LAMLOUM