【4月15日 AFP】関節リウマチの症状緩和に関して、中国の伝統薬の原料となる植物タイワンクロヅル(学名:Tripterygium wilfordii Hook F)の方が広く処方されている製薬よりも効果が高いとする研究が14日、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical JournalBMJ)のオンライン版「BMJ Open」に発表された。

 別名「雷公藤」(らいこうとう)とも呼ばれるタイワンクロヅルは、主に手足の関節が侵される自己免疫疾患の関節リウマチに対して薬効があるとして、中国では古くから用いられている。

 この植物の抽出成分には、炎症や免疫反応を和らげる効果があると考えられているジテルペノイドなど、数百の化合物を含んでいることから、以前から薬学研究者たちの関心を呼んできた。

 中国・北京協和医院(Peking Union Medical College Hospital)に所属するリウマチ専門医、張烜(Xuan Zhang)氏が率いた今回の研究は、関節リウマチの患者207人を集め、「リウマトレックス(Rheumatrex)」または「トレクサール(Trexall)」の名称で市販されている抗リウマチ薬メソトレキセートか、タイワンクロヅルのどちらか一方、もしくはこの二つの混合薬を与え、6か月後に医師が診察して症状の変化を尋ねた。

 その結果、この試験を最後まで終えた174人のうち、関節リウマチの活動性を評価する指標ACRで症状の50%改善を示すACR50に達したのは、メソトレキセートのみを服用したグループで46%、タイワンクロヅルのみを服用したグループでは55%だったという。しかし、最も劇的な効果がみられたのは、タイワンクロヅルとメソトレキセートの混合薬を服用したグループで、77%近くがACR 50を達成した。

 その一方で論文は、今回の調査にいくつかの限界があったことを認めている。第一に、治療の効果を判定する審査委員は外部から招かれたものの、試験に参加した医師たち、さらに患者自身も投薬治療の内容を知っていた。第二に試験期間が短すぎ、症状を実際に和らげたのか、それとも単に病気の進行を食い止めただけなのか判断がつかなかったという。第三にメソトレキセートの服用は、週当たり12.5ミリグラムまでに制限された。論文では「欧米ではより多くの量を服用するのが一般的だが、アジアではこの量が標準となっている」と述べている。(c)AFP