【4月15日 AFP】スウェーデン南部のルンド(Lund)市で、手のひらの静脈をスキャナーで読み取る「静脈認証」が新たな決済方法として採用されている。同国ルンド大学(Lund University)の研究者らが14日発表した。

 同大工学部のある学生が2年前、会計の列に並んでいるときに思いついたアイデアだという。ルンド市内の小売店やレストランなど15店舗に静脈認証装置が導入されており、認証装置の使用にはすでに約1600人が登録している。開発者によると、支払いが手早く済むだけでなく、従来の決済方法よりも安全だという。

 同大のフレドリク・レイフランド(Fredrik Leifland)氏は「支払いをするたびに手のひらをスキャンする必要がある。それぞれの人の静脈のパターンは唯一無二なので、このシステムで不正を行う余地はまったくない」と述べている。

 登録するためには、装置のある店舗に出向いて手のひらを3回スキャンし、社会保障番号と電話番号を入力するだけだという。すると専用ウェブサイトの利用を可能にするリンクが携帯電話に送られてくる。支払いは月2回、銀行の口座から引き落とされる。

 静脈をスキャンする技術は以前から存在したが、決済方法として使われたことはこれまでになかった。レイフランド氏は「静脈をスキャンする装置、銀行、店舗、消費者──これらすべてを結び付けなければならず、その作業は非常に複雑だった」と述べた。

 この事業は拡大される計画で、この新しい決済方法の導入を始めた企業は世界各地にあるという。(c)AFP