【4月11日 AFP】エジプトで暫定政権による弾圧を取材中に拘束された記者のうち、中東の衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)英語版の記者の裁判が10日行われ、記者は自らの釈放を訴えた。

 エジプト当局が非合法化したイスラム組織「ムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)」と関係があるとして起訴されたジャーナリストは計20人。その中で、この日裁判が行われたカナダ系エジプト人でアルジャジーラ英語版カイロ(Cairo)支局のモハメド・ファデル・ファフミ(Mohamed Fadel Fahmy)支局長を含むアルジャジーラの3人が拘束されてから、すでに100日以上が経過している。

 同日の公判では、検察側が主張する、ジャーナリストたちがエジプトの政治危機について事実を曲げて報道した、とする証拠としてモハメド支局長宅で押収されたとみられる英ニュース専門局スカイニューズ(Sky News)アラビア語版のエジプト観光に関する映像が上映された。

 また裁判では同じく押収されたオーストラリア人記者ピーター・グレステ(Peter Greste)被告の持ち物の中から写真を無作為に提示した。中にはグレステ記者の両親の写真などもあった。グレステ記者は検察側に対し「この件とは何の関係もない」と述べ、さらに被告席からAFPの記者に対し、「今日だけでなく他の公判も、この件が完全に成り立っていないことを証明している」と述べた。

 ファフミ支局長は自らを釈放するよう求め「もう4か月も拘束されているんだ」と叫んだ後、「私たちに対する確固たる証拠などない。すべてスカイニューズのビデオじゃないか」と裁判長に訴えた。(c)AFP/Haitham EL-TABEI