【4月10日 AFP】米北東部ペンシルベニア(Pennsylvania)州の高校で9日朝、2本の刃物を持った男子生徒(16)が、教室と廊下で授業に向かう生徒らに30分にわたり次々と切りつけ、生徒20人と男性警備員1人が負傷した。当局が発表した。

 事件が起きたのはペンシルベニア州ピッツバーグ(Pittsburgh)郊外マリーズビル(Murrysville)のフランクリン・リージョナル高校(Franklin Regional High School)。マリーズビル警察のトーマス・シーフェルド(Thomas Seefeld)署長によると、少なくとも生徒4人が重体だという。当局によると、負傷者の大半は胸部や腹部を刺されていた。

 容疑者の男子生徒は校長と職員1人に取り押さえられた後、駆け付けた警官に身柄を拘束された。犯行の動機は今のところ不明。男子生徒自身も手を負傷し、手当てを受けている。生徒の1人は米CNNテレビに対し、容疑者の生徒は「シャイ」で、「とても静かに」犯行に及んだと語っている。容疑者の名前は公表されていないが、ウェストモーランド(Westmoreland )郡検察当局は、成人として訴追される可能性が高いとしている。

 被害者8人の治療にあたっているフォーブス地域病院(Forbes Regional Hospital)のマーク・ルビノ(Mark Rubino)医師によると、8人の傷は深いものの、いずれも命に別条はないとみられる。刺傷のほとんどは下腹部で、内臓が大きく損傷しているという。「3人は重傷を負い、現在も手術が行われている。うち2人の容体は重篤だが、安定している」。他の5人は容体の深刻さを見極めている段階だが、1人か2人はさらに手術が必要になりそうだという。

 AFPの取材に対し、ウェストモーランド郡危機管理部のダン・スティーブンス(Dan Stevens)広報官は、被害生徒は14~17歳で、学校の「多数の教室と廊下」で襲われた、と語った。

 警察によると、被害者の生徒らは、非常時にはできるだけ遠くに走るという適切な訓練に従ったため、複数の場所に散らばって発見されたという。(c)AFP/Jennie MATTHEW