【4月6日 AFP】訪日中のチャック・ヘーゲル(Chuck Hagel)米国防長官は6日、防衛省で小野寺五典(Itsunori Onodera)防衛相と会談した。ヘーゲル氏は、領有権をめぐる問題で日本などアジア各国に対し一方的な行動を取る中国をけん制した。

 会談後の共同記者会見でヘーゲル氏は、ウクライナのクリミア(Crimea)半島を編入したロシアの行動を引き合いに出し、「全ての国は、その大きさに関わりなく尊重されるべきだ」と発言。「ロシアがウクライナでとった行動で…われわれは(他国への)敬意の欠如、強制、威嚇を目の当たりにした」と述べた。

 今回の会談でヘーゲル氏は、防衛分野で米国が日本と連携していくことを改めて確認したほか、イージス艦2隻を日本に追加配備することを明らかにした。

 イージス艦の追加配備は北朝鮮の脅威に備えるためのものだとヘーゲル氏は説明したが、領有権をめぐって日中の激しい論争が続く東シナ海(East China Sea)の尖閣諸島(Senkaku Islands、中国名:釣魚島、Diaoyu Islands)の問題にも象徴的な重要性を持つ。

 ヘーゲル氏は、尖閣諸島は日本の施政権下にあり、日米安全保障条約の適用対象に含まれると明言するとともに、「日本は米国にとって、この地域における最も強固な同盟国であり、一番の親友だ」と述べ、尖閣諸島をめぐる問題の「平和的解決」を呼び掛けた。ヘーゲル氏は7日から訪中する。(c)AFP