【4月6日 AFP】ルワンダのフレデリック・カジグウェモ(Frederic Kazigwemo)さん宅の周辺には、同国農村部の典型的な風景が広がっている。粗末な日よけの下で牛が草をはみ、キャッサバが天日に干され、女性たちが籠を編むそばで子どもたちが遊んでいる。

 しかし、20年前の大虐殺で80万人の命が奪われたこの国に暮らすカジグウェモさんには、典型とは外れる点が1つある。過去に近隣住民を殺害した経験があるということだ。「融和の村」に住むカジグウェモさんの妻は、隣に住むセシル・ムカガサナ(Cecile Mukagasana)さんと一緒に籠を編んでいる。カジグウェモさんが殺したのは、他でもないこのムカガサナさんの家族だった。この「和解の村」では、許すことさえできるなら無料で住宅提供を受けられる。

 ムカガサナさんは軒先に腰掛け、草に色とりどりの糸を結び付けては、丸く編んで籠にしていく。珍しい物を好む観光客用の土産物だ。ムカガサナさんは語る。「ここに住むのは最初はつらかった、この女の人の夫が私の家族を殺す手助けをしたのだから」