ケンブリッジを拠点とし、企業に対し文法のトレーニングなどを提供する団体「グッド・グラマー・カンパニー(The Good Grammar Company)」のキャシー・サラマン(Kathy Salaman)代表は、「アポストロフィーを省略したら、次はコンマになるだろう」と語る。「今日の英国では、あまりに難しければなくせばいいという傾向がある。そんなことでどうやって読み書きの力を養えるのか」

 サラマン氏は、通りに出てアポストロフィーを書く「言葉を守る闘士」たちを擁護する。「アポストロフィーが必要なら、マジックで書き込むことは器物損壊にはならない。私に言わせれば、むしろ言葉そのものが破壊されている」

 ケンブリッジ市は方針を撤回したが、国の当局は交通標識には句読点がないほうが好ましいとしている。

 英国の住所や地名索引を監督する組織ジオプレイス(GeoPlace)は、緊急時のソフトウェアの可読性などを考慮すれば句読点がないほうが好ましいが、最終的には地方政府の判断だという。

 全英の地方議会はまだ、このアポストロフィー問題について答えを出せていない。

 過去30年以上にわたり明瞭な言葉の使い方を追究してきた第三者機関「プレーン・イングリッシュ・キャンペーン(Plain English Campaign)」に相談をもちかけた地方議会もある。(c)AFP/Jacques KLOPP