【4月5日 AFP】ノルウェーの公共放送局NRKが3日夜、同国南部でスカイダイビングを楽しんでいた男性がパラシュートで降下中、わずか数メートル離れたところを通って落下した隕石を偶然に捉えたという映像を放送したことから、男性が「辛うじて衝突の危機を免れた」として話題になっている。

 ちょうどパラシュートを開いたところだったAnders Helstrupさんのヘルメットに装着されていた複数のカメラには、かなりの高速度ですぐ近くを落下していく大きな岩のような物体が写っていた。

 Helstrupさんは、航空機か他のスカイダイバーが落としたものかと思ったが、自分の頭上には何もなかったと話している。

 映像を見た地質学者のハンス・アームンゼン(Hans Amundsen)さんは、写っている物体は、発光しない「ダークフライト」状態に入った隕石だと説明。Helstrupさんがあと数秒遅れてダイブしていたら死んでいただろうと語った。実際に隕石であることが確認されれば、光らずに飛ぶ隕石を捉えた世界初の映像ということになる。

 また、この映像が撮影された2012年6月以降、周辺の地域では隕石探しが行われたという。

■映像は本物か?

 ソーシャルメディアで急速に広まったこの映像について、専門家たちは慎重に検証を行っているようだ。

 天文学者のスコット・マンリー(Scott Manley)さんはツイッター(Twitter)に、「少なからず疑いは持っているが、全くばかばかしい話というわけでもない」と投稿。

「私が陰謀説を完全に信じる人間だったら、映像に後からこの物体を付け加えることなど簡単だと言うだろう。地上で隕石が発見されることを願っている」と付け加えた。

 一方、天文学者で専門分野に関するブログを公開していることで知られるフィル・プレイト(Phil Plait)さんは、「本物かどうか、何とも言えない・・・でも、あり得ないことに思える」と懐疑的だ。

 なお、NRKはAFPに対し、公開した映像の信ぴょう性を保証している。(c)AFP