【4月5日 AFP】これまで達成に苦労してきた野菜と果物の推奨摂取量を、さらに増加させるべきとの研究結果が発表されたことで、英国人たちは意気消沈し、一部はパニックを起こしている。

 英国人たちは過去10年間にわたり、健康な食生活のためには1皿80グラムの野菜・果物を5皿分(400グラム)食べるべきとする英国民保健サービス(National Health ServiceNHS)の推奨を、達成できないにしても少しでも守ろうと努めてきた。

 だが今月1日、英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College LondonUCL)の研究チームが、がんと心臓疾患のリスクを低減するための1日の摂取推奨量を、7皿(560グラム)に増やしたのだ。

 この推奨は英国人をターゲットにしたもの。英国は心臓疾患の有病率が欧州で最も高く、高脂肪、高糖分の食事がその原因の一端とされている。

 しかし、NHSのデータによると、現状の1日の推奨量である5皿分を摂取できている成人は全体のわずか4分の1程度だ。推奨量を達成している人は10人に1人しかいないとしている調査もある。

「からかっているのか」とある新聞はUCLの研究結果にコメントした。

 人気育児サイト「マムズネット(Mumsnet)」では、ある女性が「1日に5皿も無理なのに7皿なんて」と投稿した。別の利用者も、あきらめきった口調でこう投稿した。「私は果物が好きじゃない。娘は野菜が好きじゃない。夫はドーナツが好き」

 英国人は、トップクラスのレストランから人気シェフ、料理番組まで、ひとつの確固とした味覚を持っている──つまり残念ながら、彼らは果物と野菜を好まない。