【4月4日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II、87)は3日、バチカンを訪問し、ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王と初めて会談した。同女王の外遊は、2011年以来3年ぶり。

 全身を薄紫でまとめ、トレードマークとなっている花飾りのついた帽子をかぶったエリザベス女王と夫のフィリップ殿下(Prince Philip)は、会談開始予定より20分遅れてバチカンに到着。英国国教会(Church of England)の「首長」でもある女王は、カトリック教会を率いる法王に遅刻をわびた。

 法王と女王は、会談の締めくくりとして、贈り物を交換。女王からは、王室の領地内で採れた食品類の盛り合わせが、法王からは、女王の孫のジョージ王子(Prince George)に向け、ラピスラズリと銀をあしらった地球儀が贈られた。

 この会談の前日はくしくも、英国と法王の出身国であるアルゼンチンが領有権を争うフォークランド諸島(Falkland Islands)をめぐる紛争の勃発からちょうど32年の日だった。また英国国教会とカトリック教会は対立関係が続いている。

 しかし英国側の関係者は会談に先立ち、論争の的になる問題は議題からは外される見込みだと話していた。バチカンのフェデリコ・ロンバルディ(Federico Lombardi)広報局長は、「非常にくだけた」会談だったと伝えた。

 フランシスコ法王は、英女王が面会した5人目の法王となった。初めて会ったのは1951年、ピウス11世(Pius XI)で、当時はまだ王女だった。その後ヨハネ23世(John XXIII)、ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)、さらに昨年退位したベネディクト16世(Benedict XVI)とも会談している。(c)AFP/Jean-Louis DE LA VAISSIERE, Dario THUBURN