【4月1日 AFP】署名を通して歴史をたどる展覧会「Making Their Mark: Stories Through Signatures」が先月21日から米国国立公文書館(US National Archives)で開催されている。

 展覧会では、米国のジョージ・ワシントン(George Washington)初代大統領から5年前に死去した米人気歌手のマイケル・ジャクソン(Michael Jackson)さんのものまで、国立公文書館が所蔵するさまざまな人物が記した署名100以上を展示している。

 第2次世界大戦時のポツダム会談で提供された夕食の席で、献立が書かれたプログラムに主要国の首脳らが署名を残した。旧ソ連の独裁者、ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)の署名は力強く、大胆だ。ハリー・トルーマン(Harry Truman)米大統領は気どらない書風で読みやすい。ウィンストン・チャーチル(Winston Churchill)英首相は硬く、落ち着いた印象の署名だ。

 背筋が凍るような展示もある。1945年4月29日に署名されたナチス・ドイツ(Nazi)の指導者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)と愛人エバ・ブラウン(Eva Braun)の結婚証明書だ。2人はこの翌日に自殺している。後に米軍によって押収された証明書には、ヒトラーとエバが「純粋なアーリア人」であることが示されているほか、「われわれの指導者、アドフル・ヒトラーを夫とするか」とのエバへの問い掛けも記されていた。

 ヒトラーの署名は崩れた殴り書き。一方のエバの署名は、旧姓である「ブラウン」の「B」と書きかけた後、「Eva Hitler」と書き直されている。この証明書には、ヒトラーの側近、ヨーゼフ・ゲッベルス(Joseph Goebbels)とマルティン・ボルマン(Martin Bormann)も証人として署名している。