【3月29日 AFP】大統領選挙を1週間後に控えたアフガニスタンの首都カブール(Kabul)で28日、旧支配勢力タリバン(Taliban)の戦闘員らが米国の地雷廃絶に取り組む慈善団体が使用していたゲストハウスを襲撃、少女1人を含む2人が死亡した。

 アフガニスタン特殊部隊とタリバン戦闘員との戦闘は3時間以上に及び、その間、幼い子ども数人を含む外国人のグループは路上の発電機の後ろに一時的に避難した。

 カブール警察のモハマド・ザヘル(Mohammad Zaher)署長はAFPの取材に対し「通りがかりのアフガニスタン人の少女1人が死亡した。建物内からは、無事に31人の外国人を避難させることができた」と述べた。 また、アフガニスタン内務省によると運転手1人が死亡したという。

 同日の襲撃では、5人のタリバン戦闘員がゲストハウスの前で自動車爆弾を爆発させ、攻撃は日没後に特殊部隊が同建物に戦闘員を追い詰めるまで続いた。アフガニスタン警察によると救出された外国人はアメリカ人2人、ペルー人1人、マレーシア人1人、オーストラリア人1人で、タリバン戦闘員5人は全員が殺害された。

 タリバンは攻撃について犯行声明を出し、教会としても使用されているという外国人ゲストハウスが標的だとのべている。

 地雷廃絶に取り組む慈善団体「平和の根(Roots of Peace)」のアフガニスタンの責任者、シャリフ・オスマニ(Sharif Osmani)氏は、ゲストハウスが襲撃を受けたことを認め、アフガニスタン人3人が負傷し別の3人が建物に閉じ込められたが救出されたと語った。

 米サンフランシスコ(San Francisco)に拠点を置く同団体は、地雷原をぶどう園や果樹園に変えるプロジェクトを展開しており、アフガニスタンでは2003年から活動している。

 カブールで外国人や外国人が集まる場所を標的にした襲撃は今年に入って4度目。タリバンは4月5日の大統領選挙を暴力的に阻止すると誓っている。 (c)AFP/Usman SHARIFI